近年、業界再編が加速している製糖業界の現状と各社の優待内容をまとめてみました。
製糖業界の現状
現在、北海道と沖縄を除く製糖各社の工場分布は以下のようになっています。

基本的に品質に差異の出にくいお砂糖を13社12工場(共同工場含む)で製造しており、効率が良いとは言えない状況です。*これでも少しずつ統廃合されています。
縮小していく国内市場
国内は人口だけでなく国民一人当たりの砂糖消費量も減少しています。

ここ10年で砂糖生産量は25万トン減少しています。これは製糖工場1つ分以上に相当する数量です。また年間の一人当たり消費量は2kg近い減少(17.4→15.6kg)となっています。高齢化の影響もありますが、2020年からのコロナ禍で外食市場が落ち込んだ事も大きいと思われます。
業界地図
以下が製糖各社の関係を示した図です。
DM三井製糖が圧倒的1位となっており、各社が経営統合や業務提携などで生き残りを模索している事が伺えます。


株主優待内容まとめ
今後も業界再編が予想される製糖業界ですが、株主優待制度を実施している企業が多い業界でもあります。
DM三井製糖(2109)
*2023年3月20日、優待制度の変更が発表されました。
毎年3月末
保有株数 | 優待内容 |
100株~199株 | 1000円相当の自社製品 |
200株以上 | 3000円相当の自社製品 |
ウェルネオシュガー(2117)
毎年3月末
株数/保有期間 | 3年未満 | 3年以上 |
100株以上 | 1000円相当の自社製品 | 2000円相当の自社製品 |
今回より日新製糖と伊藤忠製糖製品の詰め合わせが送付されてくるようです。
日本甜菜製糖(2108)
毎年3月末
100株~499株 | 自社製品 1,000円相当 (砂糖3Kg、北海道どさんこオリゴ300g 1本) |
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500株~999株 | 自社製品 1,500円相当 (砂糖3Kg、北海道どさんこオリゴ300g 2本、スティックシュガー3g×30 1個) |
1,000株以上 | 自社製品 2,500円相当 (砂糖3Kg、北海道どさんこオリゴ300g 4本、スティックシュガー3g×30 2個) |
塩水港精糖(2112)
毎年3月末
保有株数 | 優待内容 |
1000株以上 | 3500円相当の自社製品 |
製糖各社利回りランキング
配当と優待を総合的に勘案したランキングを作成してみました。

比較的利回りの高い企業が多い業界です。しかしながら今しばらくは業界再編に注意する必要があります。

今後ますます統合と効率化が図られていくはずです
また海外売上比率の高い企業にも注目したいところですが、今のところ海外で目立った利益を稼ぐ企業は現れていません。
各社砂糖以外の事業にも注力しつつあり、例えばウェルネオシュガーはスポーツジムや不動産事業を手掛けています。しかしながらまだ事業の柱と言えるほど育っていない状況です。
個人的には利回りと将来性を考慮して上位グループには投資価値が出てきていると感じます。ここまでお読みいただきありがとうございました。
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