【米騒動!?】サカイ引越センター~お米と株価の密な関係~

銘柄分析

引越しといえば段ボールとガムテープ、そしてサカイ引越センターのお米
長引くお米の価格高騰で、「株主優待でお米がもらえる企業」としてサカイ引越センター(9039)が注目を集めています。

株主優待目当てで買いが殺到!

サカイの優待は、3月末時点で100株以上保有の株主に岩手県産のブランド米5kgがドーンともらえる、実用的な優待です。しかもこのお米、ただのコメじゃありません。市販価格は5kgあたり約6,000円。スーパーで「うっ…高っ」と声が出るレベルの高級米!

2025年3月の権利確定日前には、その優待を目当てとした買いが活発化。株価も上昇しました。

直近6ヶ月の株価チャート

個人株主数は前年同月比でなんと約6割増!「株主優待狙いの買い」というより「米買い」と言った方が正しいのでは!?…と思うくらいです。

優待米が純利益の押し下げ要因に!

2026年3月期の純利益予想は1.7%増の89億円とされていますが、優待関連費用が1.8億円計上されている等として純利益の押し下げ要因となっています。優待がなければ2%台の増益予想だったとか。

利益を圧迫しているだけでなくお米の確保にも肝を冷やしたようで、「今期の分は何とか確保した」との事です。

担当者の苦労が伝わってきます

サカイの“お米愛”のルーツは?

サカイ引越センターとお米の関係は、今に始まったことではありません。同社は個人の引越し利用者にコメ1kgをプレゼントしています。引越し直後の忙しい時でも「まずはこれで温かいごはんを」との気遣いから始まったこのサービス。

その後友人紹介や見積もり依頼でもプレゼントするようになり、約20年前から始まった株主優待にも受け継がれています。

うちも引越した時もらったわね

米価と違って上がらない“株価”

サカイ引越センターの株主数は2025年3月末時点で約3.1万人。2024年3月末は約1.9万人でしたから一年で1.2万人も増加した事になります。しかしながら、株価は2024年3月末からほとんど変わらず2,500円程度です。

株価が上がらない主な理由

1.株主数の増加 = 売買高や需給に直結しないから

株主数の増加というのは、「新たに株を保有する人が増えた」ということですが、実際に買っているのは最低単元(100株)の個人投資家が大半です。

  • サカイのような時価総額が1,000億円を超える銘柄では、優待目当ての100株ホルダーが増えても、売買ボリューム(流動性)にはあまり寄与しない
  • 機関投資家や大口の資金が動かない限り、株価には大きなインパクトが出にくいのが現実

2.優待内容が「すでに織り込み済み」

サカイの株主優待は長年同じ内容です。新設でも拡充でもないので、

  • 「急なサプライズで株価が急騰!」というよりも、
  • 「個人投資家がじわじわ増えた」ことで株価は横ばいのまま保たれている可能性が高いです。

また継続保有条件がない為、クロス取引をしている株主が多い事も考えられます。

3.業績見通しの慎重さ

2025年3月期の決算は、引越単価の上昇により増収増益となりましたが、純利益の伸び率は鈍化しています。

  • 売上高:1,210.23億円(前年同期比3.6%増)
  • 経常利益:131.43億円(同1.9%増)

こうした業績の伸びが限定的であることから、大型の投資マネー流入につながっていないと考えられます。

優待人気で株主数は増加したが、株価上昇に寄与する投資マネーは入っていない

サカイ引越センターにとっては米の高騰で会社自体への注目度は上がったものの、ここまで株価が上がらないのは想定外かもしれませんね。

まとめ:今後の投資判断は!?

個人的な結論:優待改悪リスクはあるものの配当利回り高いので投資する価値はアリ。

◎サカイ引越センターの株主優待は岩手県産高級米5kg。推定6,000円相当!

◎配当利回りは約3.95%と高め

○利益率の伸びは低いものの業績は安定している

△コスト上昇が利益圧迫要因に(優待廃止リスクも視野に)

いきなり廃止ではなく「継続保有条件の付与」や「内容量の減量」や「お米券への変更」等は十分あり得るかなと思っています。
「米がもらえるから買う」ではなく、「優待がなくても投資したい銘柄か」を判断材料にしましょう。

本日もお読みいただきありがとうございました><

※本記事は個人の感想・見解に基づいており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。

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