日本国内の砂糖消費量は年々減少しています。そんな中で製糖各社は老朽化を控えた生産設備をどうするか、難しい判断を迫られています。
「これは業界のピンチ!?」と思いきや製糖業界では再編が相次ぎ、マーケット縮小を生産規模の集約で乗り切っています。結果、利益率が上昇するなど体質も改善されつつあります。そんな製糖業界をご紹介します。
最新業界再編ニュース
2024年3月、さらなる業界再編のニュースがありました。
DM三井、和田製糖と業務提携 25年3月に生産集約
2024年3月28日 18:53
DM三井製糖ホールディングス(HD)は28日、事業子会社のDM三井製糖が「KHダイヤコック印」ブランドで業務用の砂糖を製造・販売する和田製糖(東京・中央)と業務提携すると発表した。和田製糖は2025年3月末をめどに江戸川工場(東京・江戸川)を閉鎖し、DM三井製糖の千葉工場(市原市)に生産を委託する。総議決権数に対する2%未満を相互に取得する資本提携に向けた協議も進める。
和田製糖は商社と資本関係を持たない独立系の砂糖メーカー。業務用の上白糖やグラニュー糖を関東を中心に販売している。江戸川工場は唯一の生産拠点で設備の老朽化が進んでいた。従業員約60人の雇用は維持し、配置転換などで対応する方針だ。
製糖業界では生産設備の老朽化や国内での砂糖需要の縮小を受けて生産拠点を集約する動きが続く。DM三井製糖HDは子会社の北海道糖業(札幌市)の本別製糖所(北海道本別町)での生産を23年3月に終了した。北海道糖業の北見製糖所(北海道北見市)や資本業務提携する日本甜菜製糖の芽室製糖所(北海道芽室町)に生産を引き継いだ。
日本経済新聞より引用
最新業界地図
上記報道を受けて最新の業界地図を作成しました。
業界1位のDM三井製糖の規模がさらに拡大しました。
製糖会社の優待一覧
DM三井製糖(2109)
権利月:3月末
保有株数 | 優待内容 |
100株~199株 | 1000円相当の自社製品 |
200株以上 | 3000円相当の自社製品 |
ウェルネオシュガー(2117)
権利月:3月末
株数/保有期間 | 3年未満 | 3年以上 |
100株以上 | 1000円相当の自社製品 | 2000円相当の自社製品 |
日本甜菜製糖(2108)
権利月:3月末
保有株数 | 優待内容 |
100~499株 | 1000円相当の自社製品 |
500~999株 | 1500円相当の自社製品 |
1000株以上 | 2500円相当の自社製品 |
塩水港精糖(2112)
権利月:3月末
保有株数 | 3年未満 | 3年以上 |
1000株以上 | 3500円相当の自社製品 | 5000円相当の自社製品 |
*2024年3月より長期保有条件を新設
フジ日本精糖(2114)
権利月:9月末
保有株数 | 優待内容 |
100~299株 | 1000円相当の自社製品 |
300~999株 | 3000円相当の自社製品 |
1000株以上 | 5000円相当の自社製品 |
*2023年9月より株主優待制度を再開
唯一9月が権利月となっているので要注意です。優待紹介記事無し(取得経験無しの為)。
製糖各社利回りランキング
配当と優待を総合的に勘案した利回りランキングを作成しました。(2024年4月25日時点の情報です。)
唯一株主優待制度を実施していない東洋精糖が一位となりました。そして6社中5社の総合利回りが4%を超えています。市場が縮小する中で各社が増配を繰り返すという珍しい現象が起きた結果、利回りが上昇しました。各社財務面での大きな問題もなく面白い業界だと感じています。
砂糖は国策的にさまざまな制度で守られている点も大きいです
これからもM&Aなどで効率的に稼いでいく事が予想される製糖業界をご紹介しました。
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